紹興市と西宮市は、紹興酒の紹興市、日本酒の西宮市という縁で友好都市関係にあります。今回、同市において、「中国紹興第二回国際友好都市大会」が開催され、町田博喜議長はじめ総勢8名で訪問致しました。
紹興酒は知っていても、紹興市はあまりよくわからん、というのが市長になる前の私の率直な認識でした(ごめんなさい🙏)。が、この紹興市、すごいのです。歴史と偉人の地と言ってよく、現代中国を作り上げた周恩来の本籍地であり、近代アジア文学の祖である魯迅や、書道の聖人・王羲之の出身地でもあります。そして、二千五百年前に栄えた越の国はこの紹興を都にしており、「臥薪嘗胆」「呉越同舟」などとよく使いますが、これらの故事とも関わるのが紹興市です。
数千年の歴史ある旧市街は、東洋のヴェニスと言われるような水の都であり、趣きある都市です(ま、中国のヴェニス、ですね)。いまや人口は五百万人を数え、世界に数十の友好都市を持ち、それらを一堂に会するよう呼びかけたのが今回の友好都市大会、というわけです。
宿泊費など現地費用は紹興市持ちで(ホテルもすごい!)、近場の日本や韓国からはもちろん、スリランカやウクライナ、ケニアにニュージーランド、フィンランドにロシアやエチオピアまで、とにかく日本の自治体ではありえないオペレーションです。
兎にも角にも現場に行って市長の役割果たすのがミッションですので、プレゼンの時間ももらい、西宮市のPRもしてきました。紹興市とのご縁がお酒ですので、西宮市の酒造りについて改めて紹介し、その上で1960年代のコンビナート構想とその白紙化を通じて今の環境が守られ、文教住宅都市宣言がなされ、今の西宮市へと至ると紹介しました。大阪と神戸の間にあるということに加え、こうした歴史があることのインプットを通じて西宮市への認知度が上がれば何より、ではありますが。
出発日の朝には、浙江越秀外国語学院という、学生総数17000名の巨大な大学を訪問し、幹部の方や日本語コースの責任者の方、そして日本語を専攻して熱心に学ぶ学生さんらと懇談する機会を得ました。規模の大きさにも驚きまさしたが、日本語を学ぶ側から見て、どんな思いや課題を感じているかのリアリティを実感することができ、これまたよい機会となりました。
今回の訪問は、私としてはとてもよい経験になったことはもちろんですが、今後どのように友好関係を発展させていくかについて、貴重な気づきをたくさん得ることができました。外交は国の専権事項でありますが、個人ではなかなか紡ぐことができない縁を、自治体が役割を果たして、国境を越えた友好関係を様々なアプローチから深め広めていくことは、とても大切なことと思います。
紹興市では、自己土産として書聖・王羲之の筆をゲットしました。これで、市長となって新たな悩みとなった書道ニーズに向き合います💪