感染の爆発が懸念される状況に 一層の感染拡大防止策をお願いします!
本日の西宮市の陽性確認数は33件に達しました。これまでの最大が12月13日の25件、その次が11月18日の20件であったことからすると、この33件という数字にとても衝撃を受けています。11月後半から感染拡大を続ける状況を受け、市民の皆様には予防にご協力いただいてきたこととは思いますが、より一層の強い危機感でこの状況に向き合わねばならなくなっていると感じています。
本日発表された感染者の多くは、高齢者のデイサービス施設関連です。同じ利用者さんが複数の施設をまたいでいたことが感染の拡大につながったことと推察されます。またここ数日には、市立中央病院内や市立保育所、市立小学校での感染も確認されています。こうした施設においては、感染が確認された後に濃厚接触者やそれに準ずる方々の検査を行うこととなりますが、これまでの傾向として、予防対策をしっかりと講じている学校活動などでは感染の拡がりはないと考えています。別の言い方をすれば、予防策に“穴”のようなものがあると、そこから一気に広がっている、そういう状況です。
高齢者施設や学校、保育所等の感染確認に共通していることは、外部との接触者がウイルスを持ち込んでいると考えられることです。特に学校や保育所などでは、両親などの同居者が陽性となって検査を受ける事例が大半となっており、家庭での感染予防に努めていただくことと、社会活動を続けている大人が、いかに感染症にかからないように生活するか、という点にかかっています。
また、これまでの本市における感染拡大につながった事例としては、室内の運動競技や、その前後の更衣室など換気が不十分な空間なども要注意ポイントとして挙げられます。少しの時間でもマスクを外して会話が盛り上がってしまうとか、室内での接触ないし近い距離での運動が感染につながっていると考えられます。今一度、それぞれの日々の生活、活動を見直して“穴”をなくすことや、リスクの高い活動はしばらくの間休止することなど、ご協力をお願いいたします。
阪神間はこれまでも患者数が多い地域でありましたが、一向に減る傾向が見られない中で、入院や宿泊施設の調整にはかなり苦戦を強いられております。また、コロナの感染拡大によって他の医療対応、救急搬送対応にも支障が出始めております。医療現場では、コロナ対応に看護師など医療人材がとられ、それ以外の医療を十分に提供できておりません。また救急現場においては、119番通報の件数自体は増えていないものの、患者の搬送先病院を探すのに相当難儀をしているとのことで、こちらも深刻な状況になりつつあります。
保健所においては、感染経路の把握などに努め、濃厚接触者およびそれに類する市民への検査を行っているところですが、この検査数も相当数に上り、業務はひっ迫と言える状態を超え、パンク状態と言えるものです。他部局等から応援職員をかき集めるだけでなく、ありがたいことに、県を通じて、丹波篠山市、西脇市、加古川市からそれぞれ1~2名の保健師を派遣いただけることになりました。他市からの援軍には本当に心強い思いでいっぱいです。
とはいえ、そもそもの件数が爆発的に増えていることから、気が休まるどころか、出口の見えないトンネルの中で何とかもがいているような状況です。市民の皆様方に置かれましては、改めての感染予防の徹底にご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
令和2年12月15日
西宮市長 石井登志郎