市長コラム 令和6年(2024年)9月より具体的な災害の被害想定をしてみよう

この8月は、大きな災害に身構えた一か月でありました。8月8日に日向灘沖でM7.1の地震が起き、この震源地が南海トラフ巨大地震の想定震源域内であったため、2019年に運用が開始されてから初めての、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されました。私たち自身もこれまでに経験したことのなかったことですから、正直なところ、身構えたものです。南海トラフ地震は、九州から関東にかけておよそ1,000キロに及ぶ広範囲において起きるとも言われ、その被害想定は死者・行方不明者数 最大約32万人とされています(内閣府(防災担当)発表)。特に、高知県や和歌山県などの太平洋沿岸部においては、津波の高さが40メートル近くにも及ぶとされており、想像を絶する規模です。

さてそこで留意したいのが、私たちが暮らす西宮市ではどうか、それぞれの市民の方が過ごす街ではどうか、ということです。西宮市においては、津波の高さは3.7メートル、そして到達時間は112分後とされています。どこまで到達するかについては、概ね鳴尾御影線とされており、想定内の地震であれば、それより北の津波被害は免れる、ということです。確かに、いつどの程度の地震が来て、どんな津波が起きるかわからないわけですから心配なのは当然ですけども、闇雲に恐れるよりも、ではどういう被害があるか、そこを冷静に受け止めることで、その心構えができてくると思います。

先週一週間、迷走を続けた台風10号にも振り回されました。当初は、相当な勢いで関西方面を直撃する予想でしたから、6年前の大被害を思い起こしながら身構えたものですが、今回は結果としては西宮市にとっては被害は皆無となりました。ただ、これから先の台風シーズンには、いつどんな勢力の台風が発生して、どういった被害があるかはわかりません。一方で、こちらに関しても、ご自分のお住まいの地域の特性を踏まえることによって、土砂災害警報に注意が必要か、高潮警報に対してはどうか、仮に電気などライフラインが止まったとしたらどう乗り切ることができるか等、具体的な想像をすることで、必要な準備も見えてくるのではないかと感じています。

自然災害はいつかやってくる、それを正しく恐れ、できる対応と心構えをしっかりと行う、そのための具体的な災害の被害想定を、皆さんもしてみていただきたいと思います。

西宮市長 石井登志郎

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次