市長コラム 2024年(令和6年)6月 自治体同士の支えあいで有事に備える

 本日、全国市長会で上京した機会にあわせ、政令市である神奈川県相模原市との間で「防災分野における相互連携に関する協定」を締結し、両市の間で、平時からの相互の防災力向上及び大規模災害発生時の全国的な人的・物的支援の枠組みを補完することとなりました。

 本市は29年前の1995年、阪神淡路大震災という未曽有の大災害に見舞われ、多くの尊い生命と甚大な被害を受けました。その際に、全国各地から寄せられた多くのご支援に支えられ、本市はここまで復興を果たすことができました。そうしたことからも、本市職員は、どこかで災害があると、あの時のご恩を返そうと、積極的に支援に向かい、それを市民の皆さんも温かく送り出してくれています。東日本大震災が発災したあとには、女川町や南三陸町に職員を送り、その復興を支援してまいりました。また私が就任した後にも、大規模な水害に見舞われた倉敷市や佐久市などに職員を長期派遣致しましたし、今年元日に発生した能登半島沖地震の被災地へも、積極的に応援に出向いて参りました。

 こうした支援は、総務省など全国的な要請に基づくものや、兵庫県を通したものや中核市長会からの要請が主であり、時折、別の市長会などからの要請に基づいていくケースがほとんどです。そのスキームは機能しているのですが、一方で、県や市長会を通すのではなく、また同時に被災するとは考えにくい、それなりの距離のある自治体とダイレクトにつながれないかと考えていたところでした。

 そうした中で、この度、私と本村賢太郎市長との縁もあり、政令指定都市である神奈川県相模原市と、防災分野での連携協定を締結することとなりました。西宮市にとっては、中核市には手薄な人材を有する政令市とこうした連携ができることは、とても心強いと思えます。また今回の提携は、平時からお互いの防災体制について情報交換をすると共に、有事には被災側の職員をサポートするという視点も持って、協定を締結することとなりました。いざ被災すると、市職員はその最前線に立って事態に向き合いますが、その職員にかかる負担はとても大きくなります。そうした際に、こうした提携を通じて職員を支え合うということは、その被災地対策にとっても重要と思います。

 協定締結式のあと、少しの時間でしたが両市の危機管理監らとで懇談の時間をもちました。短時間でしたが、それぞれの特性や課題、県と市の役割分担の違いなど意見交換を通じて、新たな発見や気づきがいくつもありました。こうしたコミュニケーションを通じて、お互いが高めあえたらと思うものです。

 いよいよ今年も雨期に入っていきます。穏やかに時が過ぎることを願うものですが、一方で、有事の備えも、多面的に進めていく、そうした思いを強くする今回の協定締結でした!

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