令和元年5月5日に、この春から開設された関西学院大学西宮北口キャンパスの記念シンポジウムにおいて、基調講演をさせて頂きました。この西宮北口キャンパスには、ロースクールが上ヶ原キャンパスから移転して入るとともに、心理科学実践センターとアフタースクール事業のNISHIKITACROSSが運営されています。
こうした施設ということもあり、テーマが「子どもたちの健全な育成のために」ということでしたので、私からはその流れに沿って、市政の現状や取り組み、課題についてお話ししました。一番訴えたかったのは、社会の変化を直視し、現実として厳しい環境に置かれざるをえない子どもが増えつつあることを懸念し、その状況を改善するには、市役所はもちろん頑張りますが、社会全体、シチズンシップの力によって状況を改善する機運を作っていきたい、ということでした。
今後とも、日々の市政運営や、こうした機会を通じて、子どもたちの健やかな育成、それぞれの未来をサポートしていける社会づくりに尽力してまいりたいと思います。
以下参考として、当日にお話しした項目を添付しておきます。
【子どもが健やかに育つために】 西宮市長 石井登志郎
☆子どもたちを取り巻く環境
・核家族化と地域コミュニティの希薄化(核家族率 58%【1955年】⇒83%【2015年】)
・母子家庭(父子家庭)の増加(シングルマザー数106万件【2017年、30年で1.5倍】SFは約20万件)
・女性の社会進出(保育需要率や学童利用率の上昇)
(保育需要率 21.54%【2013年】⇒31.47%【2019年】)
(育成センター登録率推移 19.2%【2013年】⇒27.1%【2018年】)
・IT化への急速な流れ (携帯普及率94%、うちスマホ72%【2016年】)
・貧困の固定化、不登校、虐待認知件数の増加、いじめの多様化 etc.
子育て環境の変化が、子どもたちの育ちに悪影響を及ぼしかねない
⇒⇒⇒社会全体で子育てを支える仕組みを構築しなくてはならない
☆2019年度の関連施策
・待機児童対策の拡充(認可外補助の拡大)
・新しい放課後の居場所事業の試行実施(放課後キッズ)
・不登校支援対策 新たに幼稚園跡地活用、フリースクール等との連携へ
・他、学習支援、ITリテラシー向上、SSW拡充、移動児童館1.5倍 etc.
☆地域で子育てを支えるための環境づくり
・コミュニティスクール 地域社会に加え多様な支援で学校を支える
・こども食堂、みんなの食堂 地域共同施設
⇒ナナメの関係(親や教師以外の大人とのふれあい)を増やす政策
・シチズンシップの醸成へ 強い地域社会で子どもの育ちを支える
⇒市役所の体質も変えることが必要不可欠
☆次世代を守るために、私たちがすべきこと
・市役所の責任を果たす 必要な施策の充実、正確なデータの共有 etc.
・プロフェッショナルな方々のサポート
・機運を高め、子どもたちを社会全体で支えられる西宮市へ
以上
関西学院大学ホームページより