コロナの猛威を乗り越えて、みんなで社会をまわしていこう!

【感染者数と全体の傾向について】

感染者数については、月曜日は732人、火曜日は540人、そして昨日の水曜日が333人、今日779人となり、過去最高の数となりました。数も心配ですが、より心配なのがその内容です。それは、日を追うごとに感染者に占める高齢者の割合が増え(全体の1/3以上が70代以上の方)、それだけ重篤となり得るリスクをはらんだ層に感染が広がっていることを示しています。
このオミクロン株の感染力は驚異的で、これまでは大きな広がりがみられなかった介護施設などでのクラスターが頻発してしまっています。感染が広がる速度が速いため、施設内で利用者や職員の方が10人や20人、はたまたそれ以上の感染が一気に広がっていきます。保健所としては、現在はそうした現場の状況を聞き取り、感染の穴を見極めてさらなる感染拡大の予防指導に努めておりますが、とにかくこの感染力は強力です。
市ならびに保健所としては、基本的な感染予防に努めて欲しいというほかないのですが、なお一層の基本的な感染予防策の徹底、確認を引き続きよろしくお願いします。
 

【医療の現状について】

医療現場についての現状です。一日に数百人の発生届を受けるわけですが、現状において入院に至る方は多くて10名程度とのこと。そして医療機関においても入院日数を必要最小限に絞り、かなり回転を上げていることから、これまでのところは、入院が必要と考えられる人は何とか受け入れ先が手配できているとのことです。ただ、西宮市内の医療機関だけでは賄いきれてはおらず、県の力も借りながら、兵庫県内の西宮市からは必ずしも近くはない医療機関への受入も含めて受け入れてもらっています。県全体では、確保病床の73.5%(2月8日現在)を使用しているとのことですが、第6波の特徴として医療従事者の感染者や濃厚接触者も多く、十分な人材が確保できないために用意された病床も稼働することができないケースもあるようで、受け入れも限界にあると考えられる状況です。
宿泊施設を活用した、いわゆるホテル療養については、入院には至らないけどもリスクの高い高齢者の方や、同居の方にハイリスクのご家族がいらっしゃる方などをご案内しておりますが、こちらの方は対象となる方、ご希望される方が多く、すぐに対応できない状況が続いております。
そうした中で中心となっているのが、自宅療養です。概ね全体の91パーセントの方が自宅療養となっており、基礎疾患をお持ちの方など必要な方には、医師による薬の処方を行い、保健所が経過観察するなどして対応をしております。また、一人暮らしの方やご家族全員が感染され、お知り合いの方などに食糧調達を依頼できない方への配送を行っていますが、西宮市保健所が担当する自宅療養対象者が2月9日現在で4,200人を超える膨大な数となり、十分対応できない状況になってもいます。よって、食料配送をさせていただく先を一部絞らせていただき、ご自身での食料調達が困難(ネットスーパー等の利用が困難)であり、食料を届けてくれる家族や支援者がいない方に限定する運用としております。苦肉の運用変更と、ご理解いただきたいと思います。
 

【保健所からの連絡にSMSを活用した効果について】

2月2日から、保健所から感染者への第一報にSMSを活用する運用を開始しました。これは、それ以前は医療機関から発生届が出された感染者情報(ファックス等で来るのが現状です)を保健所で入力し、そのプロセスでリスク度合いをトリアージする作業を行い、順次、電話で必要な連絡を行っておりました。その対応件数があまりにも膨大となったため、保健所からの連絡に数日かかってしまう、という状況にありました。そのため、その中で比較的リスクが高くないと考えられる20代から60代のデジタル対応できるであろう方々の連絡にSMSを活用することとしました。その効果はテキメンで、運用開始から1,2日後には保健所の一報が滞留することはほぼなくなり、陽性となられた市民の方への対応もスムーズになり、応援職員の負担も軽減することが出来ました。SMSでショートメールが送られても困惑してしまう方もおられますので、そうした方々には電話でフォローをしておりますが、いずれにせよ保健所としてSMS送信の対象とした方の9割以上は、簡便な対応で済まさせていただくことができています。
このことで、保健師など保健所の人的リソースを、増加傾向にある重症化リスクの高い感染者の対応や、介護など社会的支援が必要な方への支援強化、調査の重点化にまわすことができています。このような業務合理化は、今後随時、行って参りたいと思います。

【市役所の現状について】

 市役所はこのオミクロン株の猛威と集中する業務によって、とても厳しい環境が続いています。まず、保健所に各部局から応援職員を大量に動員していること、そしてスタートした3回目ワクチン接種事業にも同様に動員しておりますが、より早期の接種を求める声に対応するため、ワクチン接種の担当部署にさらに応援職員を送り込むこととなっています。さらに、子育て世帯への給付金事業、住民税非課税世帯への給付事業などコロナ禍に伴う臨時の事業が目白押しで、こうした中で一年で一番大切な、予算審議をいただく3月議会が来週15日からスタートいたします。
 その上、ある意味で一番深刻なのが、市職員にも相当数の感染者数が出ており、先週一週間だけで新たに80名もの新規感染者が確認される状況です。報道もされましたが、ある部署では数人を除き10名以上が全員感染するなどクラスターまで起き、その部署の仕事も止められませんから他局からの応援や、感染せずに残った局長が課長の仕事をするなどして乗り越え、今に至っています。尚、そうした波が始まったのが2週間ほど前で、今週からは感染から明けた職員が、元気な顔で職場復帰をして業務にあたってくれていたりもしますが、平常時の勢力に戻るには、まだ時間がかかりそうです。
 こうした状況を鑑み、議会の皆様におかれましては、格段のご理解をいただいて3月議会の代表質問並びに一般質問の時間を短縮していただくという配慮をいただきました。まさに全庁あげて乗り越える、それに議会の皆さんが応えていただいたことに、感謝申し上げるものです。
 

【ワクチンの追加(3回目)接種と、5-11歳へのワクチン接種について】

 先ほども少し言及しましたように、3回目ワクチン接種の早期化は、多くの市民の求めるところですし、この猛威を前にした中において、とても重要なアクションと考えています。一方で、国が当初示していたスケジュールなどがバタバタと変わって来たこともあり、自治体の現場では特にここ数日、前倒しの対応に追われているところです。西宮市では、接種券の発送自体はまず医療従事者に対して昨年11月22日から開始し、一般の方への接種もこの1月からスタートさせています。そしてこのほど、2月8日からは接種間隔を6か月とする運用をはじめ、それに応じて集団接種の枠増加も手掛けており、阪神西宮会場だけでなく、塩瀬、山口両会場も新たな枠を設けることが出来ることとなる見込みです。
 接種券の発送は、高齢者のうち9割以上にはすでに発送済み、今後は2月12日以降に64歳以下の方に順次発送致します。全体の前倒しも検討しましたが、万単位の郵送作業ゆえに工程をずらすことが物理的に困難とのことで、発送自体は当初の予定通りとし、早急な発送をお求めの方には、web申請をご活用いただくようご案内しています。発送スケジュールや前倒し発送のweb申請につきましては、こちらからご確認ください。
 
https://www.nishi.or.jp/kurashi/anshin/infomation/v_third.html
 
 次に、5-11歳の子どもに対するワクチン接種についてです。1月21日薬事承認が済み、本日ワクチン分科会が開かれ「努力義務」をどうするのか等が話し合われる予定と聞いていますが、具体的な仕切りがどうなるかなどは、市としても把握しておりません。一方で、ワクチン自体は3月までにも供給されるとのことで、市としては3月初旬に接種できるよう医師会と協議を進めているところです。
 その中で、打つ打たないはそれぞれの考え方に依るわけですが、市としてはよりリスクの高いお子さんにまずは優先して接種できるようにすべきと考えております。具体的には、小児ぜんそくなどの基礎疾患をお持ちのお子さんが小児科医において先行して接種予約ができるようにと整理を進めて行きたいと考えております。こちらについては詳細が固まりましたら、市ホームページ等を通じてご案内したいと思います。
 

【社会全体を回す観点から、「5類引き下げ」の議論加速化を】

 本市において県内第一例となる新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されてから、3月1日で丸二年となります。法に基づいて対応するのが我々地方自治体の責務でありますが、果たして今のまま「2類相当」という扱いで進むことが正しいのか、議論が加速化することが望まれていると思います。
 感染の急拡大に伴い、子どもたちにも感染が拡がっていますが、それに伴って学びが止まり、保護者も一緒に休業せざるを得なくなることで社会活動への影響も深刻化しています。そうした中で昨日、これまでの運用を見直し、一人だけの感染確認ならば休業はしないこととし、社会を回していくことに軸足を置くことを改めて明確にしました。
 このオミクロン株に向き合う中で、この人間社会において何を大切にすべきか、大きな視点に立って俯瞰した時に、感染拡大を防止することも大切ではあるけれども、オミクロン株の扱いを今のまま続けることで、大切なものや、かけがえのない時間をこれ以上失っていくことの問題意識も持って、国は「5類引き下げ」に関する議論を加速化してもらいたいと考えるものです。

 

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