市長コラム 令和4年(2022年)5月 時代の変化を市政運営の進化につなげる

桜舞い散る4月があっという間に過ぎ去り、若葉麗しい5月となりました。私にとっての春の嵐も過ぎ去り、ほんの少しだけですが落ち着いて来たような感じです。

さて、この春は、西宮市の歴史や未来について深く考える時でもありました。住みたい街ナンバーワンと評価される西宮市ですが、その礎として市民が広く認識しているのが、本市の文教住宅都市宣言です。私たちの西宮市は、市を二分するコンビナート誘致論争を経て、1963年に文教住宅都市宣言を行い、これが今も西宮市のアイデンティティそのものと私たちは考えています。

その宣言文をあらためて読んでみると、高度経済成長期にありながらも、経済成長と一線を画し、西宮市を文教住宅都市としての道を究めるとの、先人の決意を感じるものです。一方で、59年前に謳われたこの宣言は、当時の時代背景というか、社会情勢が前提となっていると私は感じています。

それは、西宮はあくまで生活をするところであり、仕事は大阪や神戸に出て行ってするもの、という点。そして、男性は仕事をして女性は家庭を守る、という家庭を標準としていたこと。さらに、右肩上がりに経済も成長し人口も増加するとされていたこと。これらが59年前の常識であり、前提でありました。

一方で、時代は流れ、その前提は今の時代に沿って進化しています。

まず、今の時代、必ずしも大都市に出て行かないと仕事ができない、と言う時代ではありません。生活と仕事の拠点が近接することで通勤などの労力が削減され、ワークライフバランスの観点からもポジティブな働き方をすることができます。また、女性の社会進出が今の社会には不可欠であり、特に福祉、子育てや教育分野は、女性がいてこそ回っているのが実情です。そして、もはや経済も人口も右肩上がりに伸びる時代でなく、成熟期を迎えているということは誰しもが認識していることでしょう。

こうした時代の変遷を踏まえ、西宮市の市政運営も進化して行かねばなりません。文教住宅都市宣言の理念を受け継ぎつつも、今の時代に合わせたビジョンを示し、それに沿った施策を打ち出していく、これが私の責務と考えています。市民の皆様と共に、さらに前へ、進めていきたいと思います!

令和4年5月6日

西宮市長 石井登志郎

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