西宮市と平成3年から30年以上にもわたり友好都市としてお付き合いしている高知県梼原町に2度目の訪問に参りました。今回は同町で開催される龍馬脱藩マラソンに出場、無事に完走してきました! 小雨決行、と書いてましたので少々の雨ではやるのだろうと覚悟してましたが、思いっきりしっかり降り続く中、アップダウンのある道のりを、楽しく走り切りました。まあ、私がエントリーしたのは10キロでしたのでかわいいものでしたが、雨の中を数100名がフルマラソン走っているのですから、何というのでしょう、好きな方は無敵であります。
さて、同町との交流はこれまでには職員の相互交流や、市民同士の文化交流などが行われて来ました。また、西宮で開催される市民祭りには、豊かな自然の中で育まれた牛肉や川魚を持ち寄っていただいてます。そうした中で、私が今後、可能性を考えたいと思っているのが、西宮の子どもたちが、梼原の高校や中学で学ぶという選択肢を実現することです。
実際に、高知県立梼原高校には、毎学年20名前後が高知県内だけでなく東京や沖縄から集まって来ているそうです。彼らは町立の生涯学習交流センターに寄宿し、毎日元気に高校生活を送っています。私も同施設を訪ねましたが、とても居心地よく、居着きたい気持ちになりました。西宮市内の中学生にも、こうした選択肢も含めて考えてもらいたいと思っています。
また梼原町には、小中一貫の義務教育学校があり、その中学生にあたる7-9年生は、希望すれば入居できる寮が校内にあります。こちらの寮はもともとは中学校が統廃合して行く中で、通学に時間がかかる子を対象として作られた施設で、土日はクローズしています。一方で、寮があるわけですから、例えば西宮市内の子が神楽や自然環境に憧れるとか、もしくは大規模校になかなか合わない子が梼原町で学び過ごすということもあり得ないかと、町長さんらと話をさせていただきました。その際には、金曜日の夜から月曜日の朝まで過ごせる里親さんを見つけるようにしましょうかねと、結構リアリティを持ってご検討いただけそうです。
もちろん私の役割は選択肢を作り、示すことでして、その選択をするのは一人ひとりの子どもたち自身です。多様な価値観がより求められる時代の中で、西宮市の教育も多様性を認め求めていきたいと思いますが、西宮以外にも可能性は開かれている、そう思ってもらえるようになればと思います。
話は脱藩マラソンに戻りますが、前夜祭から含め、梼原町のみなさんの心温まるホスピタリティに、本当に感謝感激でした。中でも梼原高校の生徒の皆さんが舞う津野山神楽や、マラソン中の給水エイドでの「こっからですよぉ~」てな声かけ、セレモニーでの司会進行など、最前線でおもてなししてくれました。こうして彼らに経験してもらうと言う意味でも、地域の一員として彼らを育む梼原の皆さんの温かさも感じることが出来ました。
10キロゴールした後、思わず強がって「まだまだ走れそうですわ~」と口走ってしまったところ、「じゃ、市長、次はハーフやな!」と言われ、思わず遠くを見つめてしまいました。あまり強気なことは言うものではないですね。いずれにせよ、吉田町長はじめ梼原町の皆さん、ありがとうございました!