今年の夏は、昨年までコロナの影響もあり中止をしていた各地の夏祭りが、多くの地域で4年ぶりに開催されています。そしてどの会場においても、以前よりもたくさんの子供たちや地域の皆さんが元気に参加されており、こうした地域行事を切望されていたことがよく伝わってきました。そうした中で気になったのが、それぞれの地域におけるお祭りの運営方法の工夫です。ある地域では、中学生が主体になってお店の運営を任しておられます。またある地域では、地域の商店に協賛いただき、運営費に充当されています。またある地域では、地域内の高齢者施設や企業に出店や設営の協力をしてもらっています。またある地域では、スポーツ団体や子ども支援などが出店して、その団体の運営費を稼ごうと頑張られたりもしています。
それぞれが工夫をしながら自ら地域のために頑張られる姿は、本当に頭が下がりますし、その市民性があってこそ、まちはさらに良くなっていく、そう感じるところです。
さて、西宮市政においても、さまざまなシーンで市民との参画と協働を進めたいと、平成20年に西宮市参画と協働の推進に関する条例を制定しています。今日まで、その条例に沿って運用が行われてまいりましたが、時代にあわせたアップデートが必要ではないかとの思いから、評価委員会において昨年2月より累次にわたり検討を重ねていただき、このほど、同条例に関する提言書を、直田春夫会長(特定非営利法人NPO政策研究所理事長)と関嘉寛副会長(関西学院大学社会学部教授)から頂きました。
市民がシチズンシップを発揮し、それぞれにとってより暮らしやすく、魅力あるまちづくりを進めて行くことは、改めて言うまでもなく、とても大切なことです。そうした中で、本条例が制定され、今日まで各施策におけるパブリックコメントの実施や、協働事業が様々な形で行われてきたこと等が評価をいただけてきたことは、西宮市政そして市民の力の賜物と考えてよいと思います。一方で、市民がシチズンシップを発揮する場面は、必ずしも市役所との絡みにおけるものばかりではなく、日々の市民同士のつながり、ふれあい、協働の中にこそあり、そうした観点から、今回の見直しにおいては、市民同士の協働についての言及があってよいのではと指摘いただいています。また、高齢化や地域コミュニティの希薄化が進展する中だからこそ、地域コミュニティの存在は不可欠との認識を、時代に合わせた形に条文をアップデートする必要性などにも触れた内容となっています。
併せて、条例に規定されているパブリックコメントや政策提案手続き、協働事業提案手続き等についても、これまでの運用実績やICT化など時代の流れも踏まえて、運用の改正などについて触れていただいています。とても深くご議論いただき、そして的確に提案としてまとめていただいたことで、本条例のアップデートの方向性が見えてきたように思います。
提言を受け取った後、直田会長、関副会長とみっちりと意見交換させていただきました。お二方とも地方自治のプロフェッショナルで、他自治体の状況や自治の現場に詳しく、私としてもとても勉強になりました。それと共に、条例をアップデートすることは決してゴールではなく、その先に西宮市内のコミュニティの課題をどう改善していくか、そして市民のシチズンシップが溢れるまちづくりをしていくか、その大切さを強く認識したところです。コロナ対策からも一段落した今だからこそ、改めて西宮のコミュニティを強くしていくために、しっかり取り組んで行きたいと思います!