市長コラム令和7年(2025年)12月
通算40句にて一区切り~てくて句歳時記に込めた思い~
2022年5月10日号の市政ニュースからスタートした、私の「てくて句歳時記」ですが、今月の12月10日号で通算40句目となりました。我ながらよく続いたものと思いますが、この年末で一区切りし、今月で最終号とすることと致しました。
この「てくて句歳時記」を始めた思いは、市民の皆さんに市内の魅力をもっとお知らせしたい、ということが一番の目的でした。西宮市は、関西に転勤している数年間だけとか、大学に通っている間だけ住んでいる、という方が多いのも西宮市の特徴です。お引越しの方は、夙川のさくらが綺麗らしいと聞いたことはあっても、甲子園浜の渡り鳥や、山口町のアルキナーレのことを知らずにこの地を離れてしまうかもしれない、また、長年お住まいの方でもガーデンズや甲子園球場のことは知っていても、名塩の蘭学通りのことや、甲東園の梅林はご存知ない方もいるんじゃないか、ならばお知らせして差し上げなければ!、というのが私の感覚でした。
これだけならば俳句を作らずとも、多くの市町長が書いているようなコラムでもいいんじゃないかとも思いましたが、流行りに挑戦したい(結果として自分が苦労する)性分の私は、俳句に取り組むことにしました。幸い、西宮俳句協会の会長さんが、寛大な気持ちで毎号チェックして下さり、酷い出来の時には適切に添削もいただき、なんとか毎回、句を仕上げることができました。「情景を思い浮かべてくださいね」とのアドバイスに沿って、テーマを決めて、うんうん唸りながら、積み重ねてきました。しばらくすると、地域の行事に出席した際に市民の方から、「毎号、楽しみにしてますよ。」とか、「あれは、本当に市長さんが書いているの?」とか、「今度はうちの地域を取り上げてくれよ!」などと声をかけられるようになりました。いま思うのは、結構ハードルの高いことを始めましたが、それなりに反響をいただいたことは、とてもありがたいことでした。そして私自身も、西宮の魅力を再発見できた、そんな取り組みであったと思います。
最終号の句は、こちらです。市政ニュースの掲載文と共に、こちらにも掲載させていただきます。これからも様々な形で、西宮の魅力を発信していきたいと思います。ご愛読、ありがとうございました!
第40句 冬晴れや 共に進まん 楠大樹
市役所第二庁舎前には、市指定天然記念物のクスノキが植えられています。周辺にも、県指定天然記念物の海清寺の大クスや、本市の保護樹木に指定されたクスノキなど、樹高10mを超えるクスノキが複数あります。
また、昭和53年9月には、市民公募で「くすのき」が市の木に制定され、市民と市が一体となって緑化を進めていくためのシンボルとなりました。
このように本市とゆかりのあるクスノキは、常緑広葉樹で成長が早く、長寿で巨木になります。1年を通して青々とし、雄々しいクスノキには、生命力を感じる人も多いのではないでしょうか。
特に冬晴れの空に映えるクスノキの緑は力強く、市制100年の節目に、さらにその先の100年を見据えて、市民の皆さんと一緒に希望と緑あふれる西宮を作っていきたいという思いを新たにさせてくれます。
さて、令和4年にスタートした「てくて句歳時記」は、今回の第40句をもって終了します。本コーナーでは、市内各所を巡り地域の歴史や文化などの魅力を季節に合わせた俳句と文章で紹介してきました。さまざまな顔を持つ西宮の魅力を伝えることができていれば幸いです。これまでご覧いただき、ありがとうございました。

六湛寺公園のクスノキ
てくて句歳時記のバックナンバーはこちらからご覧いただけます
https://www.nishi.or.jp/shisei/mayor/tekuteku.html








