ワクチン接種の現状について R3.7.15
【ワクチン供給「一割減」となった要因について】
国から供給されるワクチンの第11クール供給量につき、西宮市に対して人口割では29箱(33,930回分)のところ、国が定めた基準により西宮市は在庫があると判断され1割削減となり、27箱(31,590回分)の供給との連絡が入りました。この27箱に、県の調整枠から1箱追加されたため、実際には合計28箱となり、削減分は1,170回分となりますが、これでも585人分のワクチン供給がされないことになったわけで、極めて釈然としない思いです。
なぜ西宮市が削減の対象となったか、その根拠となる事務連絡(厚生労働省健康局健康課予防接種室発出 ファイザー社ワクチン第11クールの新型コロナワクチン等の配分について)を読み解きました。すると、要因として接種記録の打ち込みに時間差があることと、国からワクチン供給が絞られることになった際に、西宮市として予定していた浜甲子園体育館と甲東ホールでの予約枠約15,000人分(約30,000回接種分)を減らしたことが影響していることがわかりました。具体的にみていきます。
同事務連絡によると、一日当たりの平均接種回数から、6週間分を超える接種回数に相当するワクチンがある市町村に対して、基本計画(人口割配分)から1割削減する、としています。
今回、平均接種回数の対象となったのが6/25から7/8までの14日間で、この間の西宮市のVRS接種回数は36,209回となり、一日平均の接種回数は2,586回となります。
未接種ワクチンとされるのは6月末までの国からの供給量250,965回-7/8時点でのVRS登録数116,893回=134,072回となり、これを一日平均の2,586回で割ると51.84日分の在庫があるとされ、6週間=42日分を超えるので1割削減となったと考えられます。
西宮市は接種の8割が個別接種であり、そのデータ入力は後日に市が代行して入力していることもあり、7/8時点で、7/8までの分のデータのかなりの量が入力できておりません。このVRS入力の時間差が、今回の配分減のひとつの要因となりました。そしてもう一つの要因が、国から供給量が落とされた際に西宮市が大規模接種会場の枠を削減したことが影響していることがわかりました。
【国の供給減が接種回数の抑制となり、今回の削減につながった】
既述の通り、本市では6月後半に、国からのワクチン供給量が当初の半分以下(7/5~8/1にかけた第9・10クールに150箱、175,500回分要求していたものが65箱、76,050回分に)となったことを受けて、6月末から予定していた集団接種15,000人(30,000回接種分)を削減するなどして調整することを余儀なくされました。
もし、この集団接種枠を削減することなくこのまま接種できていれば、7/8までの一日当たりの接種数は3,279回となり、国が示した削減の対象とはならなかったことになります。
ちなみに、実際の接種とVRSの打ち込みの時間差も影響していると言っておりますが、少し前の期間である6/14~6/27までの14日間では48,637回分がデータで登録されており、これは一日当たり3,474回分となり、これと想定される在庫量を勘案しても、削減の対象にはならない数字です。
さらに言えば、ワクチンの在庫自体は国が言う理論値よりもかなり少なく、既に接種されているがVRS未入力の分に加え、数日以内に各医療機関において接種されるために配送済みのものが含まれており、打てずに余ったワクチンが市役所に積みあがっているなんてことはありません。
つらつらと書きましたが、市民に身近な個別接種がより進みやすい体制で臨んだことや、国の供給を見据えて市としてワクチン供給を絶やさないように気を配りながら行ってきたことが、結果として供給減と言う形で国から報われることになってしまいました。
このことに関しては、市民の皆様に対しては申し訳ない気持ちでいっぱいです。一方的で納得し難いものとは言え、ひとつの基準でこう判断されたことは、受け止めねばならないと思います。
でありますが、西宮市においては個別医療機関を中心に堅実に、接種が行われていることはご理解いただきたいと思います。7月末までには、高齢者の110%分にあたる接種回数を達成できる見込みですし、西宮市中央体育館で実施されている県の大規模接種では、10,000人を超える西宮市民が接種済みもしくは接種予定でもあります。
こうしたことからも、西宮市民へのワクチン接種事業は決して遅れているような事はなく、順調に、そして予約済みの集団接種をキャンセルするようなトラブルもなく、堅実に進められていると考えています。
【ワクチン接種事業 今後の進め方について】
ワクチン供給の不足により、全体計画の接種目標を見直し、昨日14日の会見においてその概要を説明いたしました。
これまでは9月末までに全対象者の65%、10月末には80%の市単独での接種枠確保を目指してきました。しかし、国からの供給が絞られることとなり、今後の見通しを見直すこととなりました。主なポイントは以下の通りです。
・9月末までに国や県の大規模接種と合わせて60%の接種率
・11月末までに職域等もあわせた全累計で70%の接種率
・国からの供給量が増加すればさらに接種率はアップ
・9月末までに供給見込みの50万回分については40万回分を個別接種に重点配分
・集団接種会場は供給減に伴い縮小して運用
これまでは市独自で接種を行うことが前提としておりましたが、防衛省や県に加え、職域接種や大学での接種にも国はワクチンを供給して集団接種が進む見込みとなります。市としては、どこでどなたがどういったタイミングで職域接種を受けられるか掌握できませんが、数万人に上る方が対象となり接種を受けられることになると考えております。
市としては国から供給される分のワクチンに関して、堅実に接種が進むよう取り組むとともに、職域や大学接種に対しても、必要な協力をしながら、一日でも早くにぎわいとふれあいある毎日が取り戻されるよう、全力で対応して参りたいと思います。