本年は元日に能登半島で大きな地震が起き、現地の方はもちろんですが、年の初めの出来事に、私たちも大変な衝撃を受けるスタートとなりました。まずもって、この度の地震によってお亡くなりになられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災地の皆様には心よりのお見舞いを申し上げます。被害の甚大さから鑑みて、息の長い支援が求められることとなりそうですが、本市においても、県等と密接に連携を取りながら、必要な支援をしていく所存です。
地震は、いつどこで起きるか、本当にわからないものです。私たちの西宮市においても、29年前の1月17日、誰もがあの様な大地震が来ることを予想していなかったと思います。だからこそ、今の備えで果たして十分かどうか、検証してみることはとても大切ではないかと思います。
今回はあらゆる被害が甚大であるようですが、中でも「水」は大きな問題で、人間生活にとって不可欠な水分補給と、衛生状況を保つために重要なトイレなど下水について、西宮市の状況について、その一部ではありますがこの機会にお知らせしたいと思います。
西宮市では、地震などの災害に備えた緊急時給水拠点を整備し、応急給水の体制をとっています。大別すると、(1)緊急遮断弁付き配水池・配水槽が市内13か所、(2)緊急貯水槽が市内13か所、(3)応急給水設備付き受水槽が21か所(最終的に61か所に拡充予定)となっています。(個々の場所につきましては、以下のリンクからご確認ください。
最近整備を進めている(3)に関しては、平時は各公立学校において児童生徒らの給食などに使うための受水槽に応急給水設備を取り付けたもので、それぞれ一般的な給水車の5~10倍の容量があります。いずれも、普段使いしている水を有事の際に活用するものですから、一定期間内であれば飲用も可能です。
一方のトイレについては、西宮市においては災害時に下水道管と直接つながるマンホールトイレの整備を進めており、これまでに市内20か所に172基が設置できるように準備をしています。今後、鳴尾体育館や東山台小学校などに順次拡充する予定で進めています。(マンホールトイレ設置場所についてはこちらのリンクをご覧ください
https://www.nishi.or.jp/kurashi/anshin/bosaijoho/shinotaisaku/manhole.html)。
また、代表的な避難所となる学校においては、プールの水については冬場であっても防火用水として確保しており、災害時においても活用が可能となります。こうした一連の備えを通じて、災害時の衛生環境を維持できるような備えを行っています。
これらに加え、避難所となる各学校等には、非常食や衛生資機材、段ボールベッドや間仕切りなどを備蓄しており、有事の際に活用することとしています。また、行政だけですべての備えをすることはとても困難なため、多数の民間の事業者の皆さんとも各種連携協定を締結しており、資機材の供給や福祉避難所の提供、復旧に関する作業の連携など、多岐にわたってご協力いただくことを想定しております。
(災害時応援協定一覧
https://www.nishi.or.jp/kurashi/anshin/bosaijoho/shinotaisaku/saigai-kyotei.html)
一方で、これらの備えも、想定を超えるような災害に見舞われるなどした際には、十分に機能しないことも考えられます。また、備蓄物資には当然限りもあるため、十分すべての被災者にいきわたらない可能性もあります。そうしたことから、改めて、それぞれの皆さんがいつあってもおかしくない災害に対して、しっかりと備えていただくことが大切です。かくいう私自身も、個人としての備えが不十分なところがないかと検証しているところです。
改めて、今回の地震で被災された皆さんにお見舞い申し上げるとともに、今回の事案を、自分事ととらえて対策を見直す機会にしたい、そう思う年始であります。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
令和6年1月
西宮市長 石井登志郎
石川県に向かう本市上下水道局の給水車が安全に任務を果たしてくれることを願い、見送りました。