所得制限以上の子育て世帯に対する西宮市独自の臨時特別給付金と、離婚家庭への対応について、本日の西宮市議会運営委員会において、臨時議会の招集をお願いし、所得制限以上の子育て世帯に対する市独自の臨時特別給付金子ども一人あたり5万円を支給することなどを盛り込んだ補正予算案を提示致しました。
この補正予算額は以下の通りとなります。また、一部は令和四年度当初予算に追加して3月議会で審議いただき、成立を目指します。
さて、今回の対応について、大変思い悩むところの多いものでしたので、西宮市の状況と私の考えを記します。
まず、国が行う臨時特別給付金は、子ども一人当たり10万円であり、本来は所得制限などかけずに全家庭に支給すべきところを、国全体ではおよそ10%が対象から漏れてしまっていました。そうした中で一部の自治体が、所得制限以上の家庭に独自に10万円を支給することを発表されました。まさに英断と思います。西宮市においてもできることならそうしたいと検討を致しましたが、本市では対象者が17,000人を超え、率にするとおよそ25%、10万円を支給するとそれだけで17億円となります。国から示された臨時交付金はおよそ12億円であり、こちらからはスクールサポートスタッフなど感染予防策にも3-4億円充当したいため、全額を所得制限以上の家庭への子育て支援にまわすことはできる状況にありません。
所得制限以上の家庭が全国平均で10%のところ、西宮市ではこれが25%であることから、西宮市らしさを再認識したところですが、こうした施策においてはなかなか対応が難しいのが事実です。今回の50,000円は、今の西宮市においては、本当に精一杯、筒一杯の対応であること、どうぞご理解いただきたいと思います。
ただ、私の思いとしては、そもそも所得制限なる仕切りは、全くもって合理的でない制度設計だと考えています。ある所得を超えた家庭では、本来受けられるべきサービスが受けられなくなる、これは頑張って多くの所得を得たことに対し、行政がまるでネガティブなインセンティブで報いるようなものです。
ですから、私としてはこうした制度の見直しをしたいと考え、例えば乳幼児医療費助成制度については、まず令和3年度から、小学校3年生までですが、所得制限以上の世帯にも支援を届けるように制度を拡充致しました。この制度拡充は、財政との兼ね合いもありますが、当然、その先の年齢層にも伸ばしていくつもりです。
今回、この所得制限以上の家庭への子育て支援金支給に加え、離婚家庭の子育て支援金支給についても予算を組むこととしました。
こちらは報道や国会質疑でも課題として取り上げられていますが、今回の国の子育て世帯への支給金の基準日を児童手当の令和3年9月分受給者等としたため、その後に離婚された家庭については、子供を引き取った母親にではなく、世帯主であった父親側に支援金が支給されることが原因となっています。そもそも、その父親が母親側に支援金を渡せば済む話ですが、そうならずに受け取れない方が多数おられ、個々の家庭の問題を超えて社会問題化していると言える状況にあります。
市としてどう対応すべきか、その父親に支給しないなどができないかも検討致しましたが、国の基準に沿って業務をやる以上、基準日に受給対象者であった方に支給しない選択肢はなく、そこは支給することとなりました。その上で、市として受給できていない子どもたちの立場に立って、今回の市独自の離婚家庭への子育て支援金を支給(10万円)することとしました。
以上が、今日の議運での議案に絡む件です。市民の皆さまのご理解をどうぞよろしくお願いします。
【 事業費 】 ※議会の議決後、確定となります
(令和3年度〔今回計上分〕)
789,184千円
給付金 770,000千円(負担金補助及び交付金)
事務費 19,184千円(委託料 15,371千円、需用費 1,276千円、役務費 2,537千円)
(その他、令和4年度予算分がおよそ160,000千円とあわせて事業費総額950,000千円となる見込み)