7月3日、国道二号線沿いの津門大塚町にある公有地において、西宮総合医療センター(仮称)の建設起工式が執り行われました。現存する県立西宮病院と西宮市立中央病院を統合して、病床数552床の阪神圏域における中核的な病院が誕生することとなります。医療の高度化など絶えず進化を続ける環境の中で、国も後押しをする医療資源の集約と医療施設の効率的な整備を、県と市の領域を超えて実現していくこととなります。貴重な医療リソースを集中させることにより、再生医療など先進医療への対応がさらに進むことが期待されるとともに、有能な若手医師が集っていく、そんな医療機関になっていくことが期待されています。
また、災害への対応力を高めるため、免震構造を採用し、浸水対策として敷地嵩上げに加え、重要設備等は上階へ設置することとしています。また、この3年間に及ぶコロナ禍の経験を踏まえ、感染症対応機能を充実させるために導線や専用診察室の確保などの改善も行いました。加えて、同敷地内に西宮市が救急ワークステーションを整備し、常時西宮市の救急車と消防職員が待機することによって、救急対応能力を格段に向上させることを企図しています。さらに、AIやICTの活用をはじめ、医療技術の進歩に対応できるよう、将来の拡張性にも配慮していく方針です。
こうした、未来志向の新統合病院を、県と市では、「スマート・ホスピタル」と称して、今後さらに計画の充実をさせていく所存です。
一方で、統合病院の誕生に伴い、閉院となる中央病院について、特に周辺住民の方々から地域医療への不安のお声を多くいただいているところです。そうした心配に対応するため、閉院後の林田町の跡地には、一次救急機能を備えた民間医療施設の誘致を検討しています。これにより、阪急以北の医療需要にも対応できると考えています。
心配されたお天気もこの日はすっかり晴れ上がり、青空の下での清々しい起工式を執り行うことが出来ました。式典では、大変お世話になる大阪大学医学部付属病院長の竹原様にもご列席賜り、本病院に対する多大なご期待をいただていること、とても身が引き締まる思いでした。病院の統合という大仕事ですから、今後も引き続き難題が押し寄せることと思いますが、大きなゴールにしっかり到達できるよう、市民、議会、医療関係者など関係する方々のご理解をいただきながら、しっかりと前進して参りたいと思います!