9月24日、西宮市総合教育会議を開催し、これからの西宮の教育について議論しました。
テーマは「学校の適正規模・適正配置」と「児童・生徒の読書活動」。少子化が進み、AIが急速に普及する時代に、学校はどうあるべきか。子どもたちにどのような学びの環境を用意すべきか。未来を見据えた議論のキックオフとなりました。
■ 学校の適正規模・適正配置を考える
一つ目の議題は、学校の適正規模・適正配置について。
全国的に少子化が進む中、西宮市も例外ではありません。一方、本市は地域ごとに人口動態が異なり、児童・生徒数が減少する学校がある一方、教室不足などの課題を抱える学校もあります。
これまで西宮市では、学校の適正規模・適正配置について、全市的な視点から十分な議論を重ねてきたとはいえません。そこで今回、現状や将来推計を共有し、来年度の審議会設置など、本格的な検討に向けたスタートを切りました。
学校の規模については、子どもたちが多様な友達と出会い、集団の中で学び合える環境が大切です。また、通学距離や安全性、地域とのつながりなど、考慮すべき要素も少なくありません。
そして、私が特に大切にしたいのは、学校のあり方を考えることを、地域社会の未来を考えることにつなげるという視点です。
学校は、子どもたちの学びの場であると同時に、地域コミュニティの重要な拠点でもあります。
西宮市には、自治会、地区社会福祉協議会、防犯協会、自主防災組織、PTA、学校運営協議会など、多くの地域団体があります。しかし、それぞれの活動区域や組織が必ずしも一致せず、担い手不足や役割の重複も課題となっています。
今後は、学校区、あるいはそれに準ずる地区社協の区域を一つの基本単位として、地域のさまざまな活動を整理し、連携を深めていくことを考えたいと思っています。
学校と地域自治がより融合し、地域全体で子どもたちを育て、同時に学校が地域の交流や活動の拠点にもなる。そのような未来像です。
もちろん、学校の統廃合ありきではありません。教育環境、地域の特性、将来の人口動態を丁寧に見極めながら、市民の皆さんとともに議論を進めていきます。
■ AI時代だからこそ、読書の力を
二つ目の議題は、児童・生徒の読書活動について。
今回、教育委員会が全国学力・学習状況調査をもとに、読書習慣と、自己肯定感や他者理解、社会への関心といった非認知能力との関係を分析してくれました。
西宮市の子どもたちは、家庭学習時間や家庭の蔵書数では全国平均を上回っています。しかし、中学生の不読率、つまり平日に全く読書をしない生徒の割合は47.9%。全国平均の40.7%を上回っています。
一方、読書時間がゼロの子どもと、1日10分未満でも読書する子どもを比較すると、非認知能力に関する質問への否定的な回答が減少する傾向が見られました。
例えば、「違う意見について考えるのは楽しい」という他者理解の項目では、小学生で11.0ポイント、中学生で12.1ポイントの差がありました。また、社会への関心についても大きな差が見られました。
因果関係を断定するものではありませんが、わずかな時間でも本に親しむことの意義を考えさせられる結果です。
また、家庭に本が多いかどうか、幼少期から読書に親しむ環境があるかどうかによって、子どもたちの読書体験には差が生じます。
だからこそ、すべての子どもたちが通う学校において、本と出会える環境を充実させることが重要です。
私は、これからの学校図書館を、単に本を借りる場所ではなく、子どもたちが自由に本に触れ、静かに過ごし、時には友達と語り合える「第3の居場所」として考えられないかと思っています。
さらに、紙の本とデジタルの双方を活用し、自ら問いを立て、調べ、考える「探究的な学び」の拠点としての役割も重要です。
生成AIが瞬時に答えを示してくれる時代だからこそ、その情報を鵜呑みにせず、批判的に読み解き、自分の頭で考える力が求められます。読書は、その土台となる読解力や思考力、そして人間らしい感性を育む大切な営みです。
■ 未来の西宮の教育に向けて
今回の2つの議題は、一見すると別々のテーマですが、どちらもこれからの西宮の教育を考える上で重要なものです。
学校を地域社会の核としてどう位置づけるか。そして、その学校で子どもたちにどのような学びと成長の機会を提供するか。
学校の適正規模・適正配置については、来年度からの本格的な議論に向けて準備を進めます。また、読書活動の推進と学校図書館の充実についても、教育委員会や学校現場とともに具体的な取り組みを考えていきます。
子どもたちが豊かに学び、地域の人々とつながり、自分自身の可能性を広げていける西宮へ。
未来を見据えた教育と地域づくりを、市民の皆さんとともに進めていきたいと思います。












