市長コラム 令和2年(2020年)10月 歩行者と自転車にとって安全で快適な西宮市を目指して

10月に入り、日に日に秋らしくなって参りました。屋外で過ごす時間が心地よく感じられる、とてもよい季節です。

私自身、このコロナ禍の影響もあり、新しい生活様式を実践する一環として、4月から自転車で通勤をしています。片道おおよそ20分ほどの距離ですが、自転車だからこそ見える景色、出会う人、起きる一つひとつのことが新鮮です。

ただそれは、いいことばかりではありません。実は先日も自転車で信号待ちをして止まっていた時に、自転車に後ろから追突されることがありました! ガシャーン!と音がして、中学生か高校生らしき学生に「すいませんっ!!!」と元気に謝られたのですが、片手にスマホを持っていたので、「スマホ見ながらはやめようね!」と言葉をかけたことがありました。この時は、追突してきた学生もそれほどのスピードではなく、私も無事だったのでその言葉のやりとりだけで済みましたが、これが高齢者の方や、小さな子どもに気づかずに突っ込んでいたらと思うと、とても心配な気持ちになります。

事故のない、安全で快適な西宮をつくっていくことは、一人ひとりがルールやマナーを守る気持ちが大切であるとともに、道路を管理する自治体にとっての大きな責務でもあります。国においても平成29年に自転車活用推進法が施行され、県においては平成27年に自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が制定されております。また、昨今の技術開発の進展により、電動アシスト自転車が急速に普及し、利便性や需要が高まる一方、自転車関係事故のリスクも懸念されております。

そうした中、西宮市においてはこの7月に、「西宮市自転車利用環境改善計画」を策定しました。(「西宮市自転車利用環境改善計画について」https://www.nishi.or.jp/smph/kotsu/kotsu/doro/BicyclePlan.html)

この計画は「はしる」、「とめる」、「まもる」、「いかす」をテーマとした4本の柱からなります。自転車ネットワークなどの自転車通行空間の確保(はしる)や公共自転車駐車場の整備等(とめる)を通じ、安全で快適な自転車の利用環境を推進するとともに、シェアサイクルの導入をはじめ、自転車利用の利便性を一層高める(いかす)ことを目指し、自転車の走行・駐車のマナーの向上に向けた普及啓発活動を推進する(まもる)といった内容です。

今後はこの計画に基づき、道路に自転車が安全に通行できる空間を整備するなどして、自転車関係事故数の減少など数値目標を立てて計画の管理を致します。関係する予算もこの8月議会補正予算で承認いただき、今後は市内において自転車利用環境の改善を進めてまいります。

ただし、自転車にとって快適なまちは、歩行者にとって安全であることが大前提です。自転車の快適な利用環境を整えることを通じ、歩行者も安心して街を歩くことができる、歩行者と自転車の双方にとって安全で快適なまちを目指してまいりたいと思います。

令和2年10月1日

西宮市長

石井登志郎

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