ふるさと納税制度 国は適切な見直しをすべし

10日の定例会見において、市のふるさと納税に関して市の状況を説明し、新たな都市ブランドに資する新たな取り組みとしての返礼品についての紹介をさせていただきました。

まず現状ですが、西宮市は昨年度の税流出額がおよそ20億円であり、中核市62市の中でワーストワンの額となってしまっています。3/4が交付税措置されるとはいえ、1/4の約5億円もの多額の税が他市へのふるさと納税に流れてしまっていることは憂慮すべき事態と考えています。

 一方で寄付額については、市としても返礼品を充実させてきたこともあり、昨年度初めて1億円を超えるまでになりました。ただ流出額と比べるとその差は歴然としており、またいただいた寄付の大半には返礼品の経費も含まれるため、相当な痛手となっている状況を変えるまでに至っておりません。

 ふるさと納税の制度は、それぞれの地域の創意工夫を促すとともに、各地域における産業振興やPRにもつながるということは理解できます。よって、制度そのものをなくしてください、ということまでは言いません。ただ、西宮市など都市部自治体に本来は入るはずの税金が、他市に流れる状況が果たして正しいのか、という思いはございます。つまり、国や総務省として本制度を継続するならば、自治体から流出した分は3/4といわず全額を補填していただく、このように制度にすぐにでも変えていただきたいと思います。ちょうど今週木曜日から金曜日にかけて、松山市において中核市長会がございますので、その旨、発言する予定としております。

 さて、そうは言いながら、現行の制度は続いているわけですから、できる手を打たねばなりません。そこで今日、新たな返礼品をご紹介することとします。

 ひとつが、西宮市オリジナルの桜である「宮の雛桜」の培養苗育成セットのご紹介です。西宮市は、市花は桜であり、夙川公園をはじめとした数々の桜の名所がございます。そしてそうした桜を維持管理していますのが、花と緑の課であり、市立北山植物公園内には植物研究所もございます。そこでは様々な品種改良などの研究を重ねており、このほど、新たな品種として「大木とならない、切れる桜」を開発して皆様にお分けできるにまでなりました。

 「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」ということわざがあるように、桜は枝を切ってはいけない、というのが通説です。しかしこの「宮の雛桜」は、切っても大丈夫な品種と掛け合わせているので、切ることは問題となりません。また、「宮の雛桜」は大きくなっても2メートルほどまでなので、大木とはなりません。そもそも、切っても大丈夫ですから、お好みの高さで切っていただいてよい品種です。つまり、「マンションのベランダで楽しめる桜」がこの「宮の雛桜」です。

 今回は、花と緑の課の職員が工夫を重ねて知恵を絞り、培養苗を、西宮市に由縁のあるワンカップ大関の瓶に入れて商品化しました。瓶の苗を春先に植木鉢に移して育てていただくことを想定しています。ただ、培養苗を土に移す際に、うまくいかない可能性もありますので、今回はセットとして一年物の苗もお付けして、ふるさと納税の商品として仕立てました。

 どこにも委託せずに市職員が全部対応していることもあり、量産化ができません。今回は限定50セットをふるさと納税の商品として提供させていただくこととしました。

【さとふるHP 西宮市オリジナル桜 「宮の雛桜」培養苗セット】

https://www.satofull.jp/products/detail.php?product_id=1262277

 それから、やはりこれだけ流出額が多いと、それに対抗する返礼品も用意しなくてはならないと考え、この度、兵庫県共通返礼品の「神戸ビーフ」を西宮市のふるさと納税返礼品に追加することとなりました。

 西宮阪急さんが窓口となっていただき、西宮市にふるさと納税をすることによって、なんと神戸ビーフがもらえる!、ということになりました。

 

【さとふるHP 西宮阪急 神戸ビーフステーキ用】

https://www.satofull.jp/products/detail.php?product_id=1240883

 このリンクの商品の寄付額は10万円とビックリするほどお高めですが、3万円からありますので、サイトをご覧いただければと思います。また「宮の雛桜」や「神戸ビーフ」以外にも、昨年にラインナップに加わった「キッザニア甲子園入場券」や、新たに加わった「読売ゴルフ利用券」や「『涼宮ハルヒの憂鬱』ポスター」、そして従来から根強い人気の日本酒やお菓子なども充実しています。どうぞふるさと納税は西宮市へ!

と書いて改めて思いますのは、この制度、やはり考えるところはありますですね。新たに衆議院の任期がスタートしたわけですが、国会議員の皆さんには、ぜひこの制度についてしっかり議論していただき、是正すべきところはしっかりしていただきたいと思います。

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