市長コラム 令和3年(2021年)3月 新型コロナ初確認から丸一年

本日3月1日で、西宮市内において新型コロナウイルス感染症の陽性者が初めて確認されてから丸一年となります。本事案は、兵庫県にとっても初めての事案であり、多くの県民市民、メディアから注目されたことから、とても印象深く思い起こされます。そして、この一年間は、本当にあっという間に過ぎた、まさに感染症対策においては「必死にもがいた」一年であったと感じています。もがいた、という表現をしましたが、これは正直な印象です。新型コロナウイルス感染症が一体どういうものなのか、ワクチンも特効薬もない中で感染の広がりを見せる不気味な相手に対し、また、2月27日には国から唐突に全国一斉休校の要請を受け、そのドタバタの中で初感染が発覚しました。当時は正直なところ、何で県内初事例がよりにもよって西宮なんだろうと思ったりもしましたが、今となっては私だけでなく市役所としても、貴重な経験であったと感じています。まだコロナウイルスとの闘いは続きますが、現段階においての振り返りと教訓について記しておきたいと思います。

ひとつが、情報発信のあり方についてです。感染予防のためには情報は基本的にオープンでなくてはなりません。行政が何か隠しているのではないか、そう市民に思われることが不安を増幅してしまうため、市として基本的に情報は公開、という原則を立てています。一方で、個人情報保護も極めて大切なことは言うまでもなく、こちらも大きな原則です。この二つの大原則を守りながらの情報発信となるわけですが、どちらかが過剰になると、もう片方が不十分になってしまう可能性が往々にしてあり、大変苦慮したところでもありました。市役所業務という性質上、この問題とは向き合い続けることになりますが、今後もしっかりと説明を尽くし、市民の安心に繋げていきたいと思います。

次に、科学的見地からリスクの高低を見極めることの重要さについてです。当初はどのような状況で感染リスクが高まるかも感覚的なものに留まり、感染拡大防止には一切の社会活動を止めるより選択肢がないと考えられていましたが、時間も経過し様々な知見も積み重なると、行動によってはそうリスクも高くないこともあると判断できるようになりました。実際に学校の授業では感染予防策を取ることでリスクをかなり低減できますし、屋外で人同士の接触がほぼないテニスコートや野球場での感染が疑われたケースは聞きません。一方で、学校活動においても合唱であるとか、スポーツではその前後の更衣室などでは感染が疑われる事例もありました。こうした知見を市民と共有することで、もうしばらく続くであろうwithコロナの時代を、単に社会活動を抑制する、というのではない対処法によって乗り越えていかねばならないと思います。

今後は、リバウンド防止策を徹底しながらワクチン接種を進め、この窮屈な日々から抜け出すことを目指して行くこととなります。その道程を鑑みた時に思うことは、引き続き「不確実」「不確定」なことに包まれながら前に進むことを余儀なくされるということです。

ワクチン接種については、西宮市においても本日からコールセンター(0570-097-724)を立ち上げるなど着々と体制整備にあたっていますが、西宮市にいつ、どれだけワクチンが届くのか、いまだ不透明です。また、実際にどれだけの市民の方が接種を希望されるか、蓋を開けてみないとわかりません。また、西宮市では各医院による個別接種を主軸に考えていますが、在庫管理から配送、実際の接種もやってみて初めて課題が見えてくるところもあると思います。今日までの教訓で、こうした不確定要素が多い中での対応においては、常にしなやかに、柔軟(フレキシブル)に対応していくことが大切だと感じています。

今後も、これまでの教訓を踏まえながら、市民と共に乗り越えていく、明るく前を向いて、頑張っていきたいと思います。

NHK神戸市局から取材を受けました↓