市長コラム 令和3年(2021年)7月  より安全な通学路を地域のみなさんと共につくる

 先週、千葉県八街市で下校中の小学生の列にトラックが突っ込み、児童5人が死傷する痛ましい事故が起こりました。この事故を受けて、本市におきましても、通学路等の安全対策がしっかりなされているか、改めて点検を指示したところです。

 本市の通学路等の安全対策につきましては、平成24年の亀岡市における登校中児童の交通死亡事故を受け、自動車運転者に対する注意喚起を目的として指定通学路に路側帯カラー塗装を整備するとともに、西宮市通学路交通安全プログラムを策定し、市立小学校を対象に毎年8校程度の通学路合同点検を始めました。

 平成30年の新潟市における下校中の児童の事件や高槻市で生じた大阪北部地震によるブロック塀倒壊による登校中児童の死亡事故を受けて、通学路交通安全プログラムを改定し、新たに防犯・防災の観点も含めた通学路合同点検とするため、参加メンバーを拡充する等、取り組みを強化してまいりました。

 また、令和元年の大津市における散歩中の園児の交通死亡事故を受けて、未就学児が日常的に集団で移動する経路の緊急安全点検を実施するとともに、主要交差点の安全対策工事を行い、市内約50カ所の交差点にガードパイプや車止めを設置いたしました。また、点検により判明した未就学児の移動経路における危険箇所については、未就学児移動経路緊急安全対策工事として、新たに防護柵、標識、路側帯カラー塗装を整備いたしました。

 こうした通学路等の危険箇所の抽出、安全対策の取り組みにあたっては、教育委員会、学校園のみではなく、PTA等のより多くの関係者がともに携わることが重要です。本市におきましては、学校・PTA・地域団体がともに通学路の交通安全、防犯、防災の観点から検討を行うとともに、各小学校やPTA、保護者から挙げられた個別の要望についても、必要な安全対策を随時進めております。

 一方で、こうした政策はここまでやればOKというものではなく、不断の点検、継続的かつ重層的な取り組みが不可欠であると考えております。今後とも、警察や地域の皆様と協力しながら、より安全な対策を講じてまいりたいと思います。

 私事ですが、遡ること40年以上前、小学校一年生の時に車にはねられ、左足大腿骨を骨折し三か月入院するということがありました。信号のない横断歩道で、片側が信号待ちで渋滞しているところに、その車の間をすり抜けて出てきた私が、反対側から来た車にはねられた、ということです。目撃談によると、車にはねられた私は10メートル近く吹っ飛んだそうです。今でも、あの時のことはかなり鮮明に覚えています。

 大変な経験をしたと思いましたが、今思えば、左足の大けがは負いましたが、それだけで済み、命に別状はなかったために今もこうして人生を送ることが出来ていることは、幸運であったと思います。そんなことを思い返しながら、今の私がすべきこと、つまり西宮の子どもたちを守ることに向けて、市民の皆様のご理解ご協力も得ながら、全力で対応に当たって参りたいと思います。

令和3年7月1日 
西宮市長
石井登志郎

写真は令和元年の大津市の交通死亡事故を受け、新たに設置したガードパイプ

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